Stchang’s Diary

すとちゃんが綴る、他愛ないほのぼの日常。

ハルキスト

 先の記事でも村上春樹のことを書いたので、今日の題材に取り上げてみた。ただ、最初に断っておくが、ぼくは「ハルキスト」ではない。それほどこの方の著作を読み込んでないし、そもそも数自体でもそんなに読んでない。確実に好きだとは思うし、よく読み返したりもするけれど、この記事のタイトルに位置付けられている人たちほど思い入れがあるわけではないと思っている。

 

 毎年、ノーベル文学賞の季節になると、よくニュースで話題になるのがハルキストの方々の、村上春樹受賞への期待。この方々の「今年こそ」と思う気持ち、それ自体にはぼくも少なからず共感はしている。だから毎年季節が訪れると、村上春樹の本、だいたい「ノルウェイの森」か「風の歌を聴け」あたりを本棚から引っ張り出してきて意味もなく読んだりはしている。

 

 去年も同様に期待があり、受賞が発表されて落胆があった。ただ、去年に限って言えば受賞したのがボブ・ディランだったから、個人的には落胆より先に大きな喜びが出たし、ニュースでも言及されていたけれど、ハルキスト、そして当の村上春樹ご本人も喜んでいたのではなかろうかと思っている(昨年の発表以降の著作を読んでいないので、正確なところはわかりません。あくまで推測です)。

 

 一番好きなのは「風の歌を聴け」。村上春樹自身はこの作品をあまり気に入っていない、みたいなことをどこかで読んだ気がする。でも、なぜだか読み返した回数が圧倒的に多い。「海辺のカフカ」も好きだと思っている。でも、じゃあこの人の作品を説明してみろ、と言われてもぼくには絶対にできない。それはなぜだろう。その理由すらもぼくの中では不明確である。じゃあそもそもなんで好きなんだと言われれば、それはそれでやっぱり不明確だった。でも、好きだ。それは確かだと思っている。

 

 こんな曖昧な人間が、自分のことを「ハルキストだ」なんて臆面もなく言った日には、まず間違いなく「やれやれ」と呆れられるだろう。それこそワタナベがそうするように。